再びパラダイスへ・エクストリーム

by Michael Brooke

アメリカ本土/カリフォルニア州の沖合26マイル(約42キロ)にあるカタリナ島は、スケートボードのイベントを行うに相応しい壮観なロケーションである。1977年に「カタリナ島クラッシック・ダウンヒル・コンテスト」が行われた際はテレビクルーも駆けつける盛大なイベントと成り、3000万人が視聴したのです。

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しかし、その後イベントは引き継がれず、2012年、しばし行われてなかった「カタリナ島クラッシック・ダウンヒル・コンテスト」をRivera Skateboads/リヴェラ・スケートボードが復活させたのです。その後「カタリナ島クラッシック・ダウンヒル・コンテスト」は毎年開催されており、コンクリートウェーブは第一回目からスポンサーでありながら、まだ一度もこのイベントを実際に見た事が無かった。なので今年はスケジュールを整えてようやく足を運ぶ事が出来たので、そのレポートをお送りしたいと思います。

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通常、カタリナ島へは約1時間程フェリーにゆられて行くのですが、私は何を間違えたかヨットで移動する事にしました。しかし、これが大失敗!海は大荒れで、なんと8時間もかかってしまいました。ようやく島に降り立った私が一番最初に感じたのはメローでポジティブなバイブで、カリフォルニアの他の観光地で感じる事の出来るものとはまったくの別物でした。島では車は殆ど存在せず、皆、ゴルフカートで移動します。スローなペースは住人のみならず、観光客にも浸透しており、美しい景色と合わせて、緩やかに時間が過ぎて行きます。

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Carrie Coffin and Dubes motor around the island in style.

カタリナ島でのこのイベントを復活させた当事者であるRiviera(リヴィエラ)のチーム・マネージャーであるジャスティン・レイノルズはカタリナ島の事を「隠されていない宝箱」と表現しています。

1977年に行われた最初のイベントは、「ダウンヒル」という競技の誕生でもありました。しかし、その後、このイベントを引き次ぐ者は現れず、せっかくの火種は経ち消え寸前だったのです。ダウンヒルの祖父であるこの大事なイベントが完全に消えてしまう前に、イベントの復活に向けてジャスティンはダウンヒル・コミュニティーと親交の深いブレント(ドゥーブス)デューベンドルフに声をかけ、これが全ての始まりになったのです。

「ただ単純にやらなければ!と復活させる事ばかり考えてて、実際に復活させた後の事は考えていなかったよ。皆からこんなに沢山のポジティブなレスポンスが得られるとは考えもしなかったね。カタリナには島独特のフィーリングとマジカルなバイブスがある。島の町アヴァロンの人達の理解なしでは、このイベントは絶対に存続出来ない。」とジャスティン語ってくれました。

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Justin Reynolds and Mike Girrard keeping the crowd entertained. Photo - Michael Brooke

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No time to take in the scenery when you are racing. Photo - -Mark Nisbet

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Emily Pross first place winner women''s division. Photo Mike Roberts/SLO Stoked

アバロンの町は小さいゆえ、とても判りやすく、この時期、町の中心部にはミニ・ランプも設置されています。レストランも豊富で安いレストランからハイエンドなファイン・ダイニングまでありますが、自炊したい人には2つのスーパーも有ります。

肝心なレースコースですが、決してイージーなコースではなく、鋭いコーナーもあるチャレンジングなコースで、沿道のファンは沢山のワイプアウトを目にしたはずです。あり得ない速度でのドリフトや追い越し、これまでのダウンヒルの壁を更に超えるパフォーマンスに沿道を埋めた観衆にはエキサイティングな1日となりました。

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Norwegian Ali Nas takes a moment to relax. Photo - Mark Nisbet

イベントをオーガナイズしたリヴェラ・スケートボードは機材などの設置を完璧にしいてた為、イベントはとてもスムーズに進行。

今年の優勝者はケビン・リーマー(Kevin Reimer)、準優勝はディロン・ステフェンズ(Dillon Stephens)、3位はトロイ・ヤードウェイスト(Troy Yardwaste)。

女子部門ではエミリー・プロス(Emily Pross)が優勝し、準優勝はスポーキー・ウォーキー(Spoky Woky)、3位がヴィクトリア・ワディングトン(Victoria Waddington)に決まりました。

私はこのイベントの取材を通して、沢山の人達と交流出来ました。カナダ、スペイン、フランス、ノルウェイ、スウェーデン、世界各国に新しい友達が出来た事はとてもエキサイティングな事でした。

スケートボード・カメラマンのマーク・ニスベット(Mark Nisbet)は、ヘリで空からの空撮を始め、この大会の、そして参加選手達のスピリッツを完璧に写真に収めてくれました。

写真があまりにも良かったので、この記事を2ページ増やさざるえなかった程なのです!

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Photo - Mark Nisbet

幸運な事に私はアバロンの市長アニー・マーシャル(Anni Marshall)にインタビューする事が出来ました。マーシャル市長は「時間が少し逆戻りしたように、緩やかに時間の流れを感じる事の出来るここカタリナ島で暮らせると言うのはとても幸せな事です。船しか来れないと言う一見不便に感じる部分も、実はこの島の魅力なのだと思います。4500人近くいる住民の多くは、子供達が喜ぶのでカタリナ島クラッシック・ダウンヒル・コンテストを歓迎してくれています」と語ってくれました。

島では、このイベントに出場するためではなく、参加する為だけに来たという若い3人組に逢いました。彼等はこう語ってくれた。「春休みを利用して来たんだけど、町の皆がとても礼儀正しく、町そのものがこのイベントを受け入れてるようでした、お巡りさんの前をスケートボードで横切ったら、いつもは怒られるのに、ここではお巡りさんが「シャカ(親指と小指を立てるハワイの挨拶)」をしてくれるんだ!坂も多く、しかも車が少ないのはスケートボーダーにとっては最高のロケーションだよ!」

町のレクリエーション部所属のデビット・ハートさんは、「カタリナは小さな島だけど、皆が憧れるカリフォルニアのライフ・スタイルを十分に満喫出来る所です。このような大きなイベントのアシストを出来る事は光栄でもあります。イベント自体は、きちんとオーガナイズされてるだけではなく、年々オペレーションがスムーズになってるのを実感しています。このイベントはカタリナの歴史の一つにもなりました。毎年このイベントを楽しみにしています」と笑顔で話してくれた。

デビットさんの言うように、確かにこのようにイベントがスムーズに行われるのは、主催のリヴィエラのリサーチ力にありますが、島の住人も精一杯アシストしてくれるのでイベントは成功してるのです。

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Mr Tibbs Finger Flips Photo - Mark Nisbet

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Hanging with the locals Photo - Michael Brooke

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Anatomy of a corner as see from a helicopter. Photo - Mark Nisbet

島にあるスケートボード・ショップCSCのオーナーであるモニカ(モー)シールズと彼女の父親のランディーの協力には感謝しても感謝しきれない。地元の建設会社Straight Up Builders /ストレート・アップ・ビルダーズのエド、エド・ジュニア、クリス・アーノルド。ジェン・モンローとアヴァロン市役所の全てのスタッフ、カタリナ商工会議所のスティーブ、スリーパームズのブレンダ・ホーフ。皆さんには感謝の気持で一杯です。 最後に警察署のダグ・フェタロールと警察署全ての方、そして消防署のマイク・クラグ、ありがとうございました!

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Norman Plante takes the corner. Photo - Mark Nisbet

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Emily Pross took first then Spoky Woky followed by Victoria Waddington Photo - Mark Nisbet

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First place Kevin Reimer then Dilon Stephens and in 3rd Troy Yardwaste Photo - Mark Nisbet

カタリナは本当に特別な場所だと思いました。「ロマンスの島」と言われてるのも納得出来ました。実際、イベント中にリヴェラのアダム・ガルシアが、町の中に作られてたミニ・ランプの前でフィアンセにプロポーズし、オッケーを貰い、観衆からは大きな喝采が起こりました。

これまで沢山のイベントに参加してきましたが、カタリナほどあっと言う間に終わったイベントはありませんでした。マジカルな時を過ごしました。このイベントのオーガナイザーであるリヴェラとそのスタッフに感謝します。

大満足の私の帰路はもちろんフェリー!もうヨットには乗りません! 2016年の再会を楽しみにしています!

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この記事はConcreteWave June 2015 Return to Paradise の抄訳です