ザ・ニュー・クールダウン・エクストリーム

私はスケートボードを持っての旅が大好きである。朝、テントを開けると内部に流れ込む新鮮な潮風や緑の香り。これからの匂いに後押され、近所のコーヒーショップまでスケート・ボードに乗り、濃〜〜いコーヒーを一杯買いに行くのです。

しかし、自然は日々減少している。北極の氷、ジャングル、人間の手が入ってないエリアですら様々な生物が信じられない早さで絶命への道を進んでいる。生物学者E.O . WILSON(イー・オー・ウィルソン)はこのまま何も変わらなければ100年後には現在存在する生物の半分は絶滅するだろうと語ってる。

過去に地球は5度ほど絶滅を迎え、その度に果てしない時間をかけて立ち直っては来たが、現在地球の抱えてる絶滅の危機(科学者達は「第6の絶命」と呼んでる)がコレ迄とまったく違うのは人間の手による絶命だと言う事。我々が地球にする事は、全てそのまま遅かれ早かれ我々への大きなツケとして回って来るのです。

近年、メディアによりようやくこの事態が世界中の人々に浸透し、事の重大さが社会に浸透した感があり、スケートボード界にもその動きが出て来た。

2001年、アウトドア・ウェア「パタゴニア」の創立者イヴォン・チョウナードとクレイグ・マシューにより立ち上げられた「1%FTP/ONE PERCENT FOR THE PLANT(地球の為に1%を)」は、幾つかのスケートボード会社も名を連ねる環境保護のボランティア団体で、彼らのここでの活動は、ビジネスにも大きく影響してると両氏は語ってる。

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2001年に発足された「ASEC / ACTION SPORTS ENVIRONMENTAL COALTION(メンバーにはジェン・オブライアン、コメット・スケートボード、セクター9、ジェフ、ローリー、クイック・シルバー、ハーリーなどが名前を連ねる)」の代表「FRANK SCURA/フランク・スクーラ」は語る。「当団体では、日々海で、山で、雪で活動するアスリートや団体を通し、現在世界が抱えてるこの偉大な危機をどう乗り切れば良いかを伝えると同時に、それぞれが責任を認識しない事には事態は改善しない何処か、破滅への道を更に早く進む事に成るのです」

2007年の X-GAMESで「ASEC 」は試合で使われた後に取り壊された木製の「RAMP/ランプ」をロサンゼルスの貧困街に寄付し、今後は出来るだけ無駄の出ないよう、リサイクルの事まで考え、コンテストのデザインや材を徹底的に考える事を公言した。

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コメット・スケートボードはリサイクル材でのボードの開発に既に着手してるし、AIRSPEED SKATEPARKSの作るスケートパークでは砂袋にコンクリートを被せる事により、コンクリートの量を減らしたり、、木を使う部分の75%は「FSC/STEWARDSHIP COUCIL(森林伐採の危機を訴える世界的な団体)から認可された木材、もしくは別のスケートパークからリサイクルされた物のみを使ってる。

工事現場に来る為の車の移動も極力避けられ、ガソリンの消費を削減、環境汚染を少しでも抑えるため、スタッフは完成迄現場に泊まり込むか、スケートボード、もしくは徒歩で通勤する程の徹底ぶりなのです。


THE GABRIEL SKATEPARK (ガブリエル・スケートパーク)

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2007年4月、オレゴン州、ポートランドの公園を管理する「PP&R」は新しくスケートパークを作る事を決め、その役目を「AIRSPEED SKATEPARKS/エアースピード・スケートパーク」が請け負う事に成った。

環境に優しくをテーマに建設されるこのスケートパークは様々なガイドラインを元に建設される予定で、この建設に関わるスケーター「TAJ HANSON/タージ・ハンソン」は「建設中、又は完成後に訪れる影響を考えずに物を建てたり作ったりする時代はもう終わった。出来るだけ無駄な資源を使わず、建設後の周辺地域の事を考える事が必要で、このガブリエル・スケートパークの建設ではまさにそれら全てが行われている」

ガブリエル・スケートパークは「LEED/LEADERSHIP IN ENERGY AND ENVIRONMENT DESIGN (資源、環境を考えたデザインを促進する団体)」の持つガイドラインを元に制作され、建設に伴い、出来るだけ緑を伐採しなくて良い場所が探されたり、リサイクルされた資材が使われたりしてる。

ガブリエル・スケートパークでは雨でボールの中に溜まった水は付近の植物へ流れるよう工夫、環境にやさしくなるように考えて作られた公園の説明も園内に掲げてある。スケートパークに来て、スケーターとして技術を磨くと同時に環境への関心も育てる事が出来るのです。

「緑や環境を保護する事を第一に考えてるこのガブリエル・スケートパークの建設だが、それでも失われる物は出てしまう。この建設によりどれだけ緑が守られ、又、失われるかを人々に伝える事により、他の建設(環境を考えずに建設される物)がどれだけ地球にダメージを与えてるかを知って欲しい。この工事がそれらを示す見本と成れば良いと思う」と工事責任者は語ってる。


ARBOR

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1995年に創立されたスケートボード・メーカー「ARBOR/アーバー」はエコロジーな資材のみを使用し、木材も自社で木材の栽培を行ってる業者の物しか買い付けを行わないなど、徹底してグローバルな環境保護を視野に入れた生産体制、会社経営を続けている。

ARBORのスケートボードのラインアップには、絶命の危機に有るハワイアン・コアを使ったボードが有るが、これらも安定した量のコアを長い間栽培して来た地元ハワイの業者のみと取引し、同時にコアの安定した供給を目指すハワイ州とのリレーションも忘れてはいない。

ARBORのアパレル商品の中には竹を資源にしたTシャツ、100%オーガニックの綿から出来たTシャツなどもあり、同社の創立者「BOB CARLSON/ボブ・カールソン」は「ARBORはこれからも環境を守りながら、新商品の開発を続けて行く」と宣言している。


BOB BURNQUIST

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世界一汚染された町と言っても過言ではないブラジル、サンパウロ生まれの人気プロ・スケーター「BOB BURNQUIST/ボブ・バーンクイスト」は幼少の頃から何をするにも徹底してた。新しいトリックを身につけるためには出来る迄やり続けるか、立ち上がれない程のダメージを食らい、パークから運び出される迄止めなかった。

そのスタンスは環境保護をする際にも変わる事は無く、「ASEC 」の創立者の一人とし彼はオーガニックな食生活や緑の尊さを歌っており、「レッド・ブル(飲料水)をスポンサーにつければ大きな金に成るんだろうが、俺には金より世界が直面してる環境危機のほうが遥かに大事なのだ」と小さなオーガニック食品をスポンサーに日々活動している。

彼は自身の活動、そしてウェブサイト www.burnquistorganic.com を通して、地球の危機を人々に習知させ、良い環境作りが出来、職場でも自宅でも環境にやさしい生き方、暮らし方が出来るよう努力してる。

つい最近、ボブ・バーンクイストはワシントンへ行き、カリフォルニアの上院議員「バーバラ・ボクサー」と地球の直面してる環境危機について話す機会を設ける事が出来た。又、彼は大量の木材を使うX-GAMESに対し、FSCが認可してる木材のみを使う事、使用した木材は貧困地区に寄付する事などを求めた。アメリカ大手のホームセンター「HOME DEPOT/ホーム・ディポ」とスポーツ・チャンネルESPNもこれらの考えに賛同し、沢山の寄付をしたのです。

温暖化の進む地球にボブ・バーンクイストは「地球の冷却化を!」のコンセプトを掲げ、カリフォルニアの自宅近くに有る学校「サン・パスカル・アカデミー」でもそのコンセプトは実践されてる。「初めて訪れた時は信じられなかったよ。緑に囲まれたキャンパスなのに、校内で販売してるのはジャンク・フードばかりなんだぜ!しかし、今では緑の多い土地を生かし、オーガニック・ガーデニングを初め、生徒達へのオーガニック教育も行い始めたのさ」

「俺を含むスケーター連中は工夫する事に長けてるし、リスクが伴う事に対しての恐怖心が無い。そうじゃなければ新しいトリックなど何時迄経っても覚えれないし、ココ迄スケート界は前進して来れなかっただろう。一人でも多くのスケーターやスケート業者に地球の健康を認識して貰いたいね」


COMET

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「COMET(コメット)はスケートボード・ファクトリーであると同時にアイディア・ファクトリーでもある。20年以上も新しいアイディアで環境の事を考えながら会社を運営してきたが、まだまだゴールは見えないし、やるべき事の終わりは見えない」とCOMETのオーナーJASON SALFI(ジェイソン・サルフィ)は語る。

当社は航空技術会社「E2E」との壊れないボードの制作も最近始めたばかり。大豆の樹脂油にアメリカ産の竹と麻を人工的に掛け合わせた新材料はエコロジーの極みであり、COMETの掲げてるゴールは現在有る無数の小さな工場をもっと世界中に広げ、どの工場でも近辺で取れる自然物で製品を生産する事。

こうする事により、資材の運搬もカット出来る。世界には環境エコロジーに取り組んでる慈善団体は無数に有り、それらは数はドンドン増えて来てる。世界の人々が地球の環境に関心を寄せてるのは素晴らしい事であり、今後もこのムーブメントを更に大きな物にして行きたいとCOMETは考えているのです。


ELEMENT AWARENESS

ELEMENT AWARENESSは、スケートボードと環境教育を通し、次世代を担う若者に人生を行きて行く上で必要なツールと自信を持たせるためTODD LARSON(トッド・ラーソン)とエレメント・スケートボードの創立者ジョニー・シィラーレフの二人がYMCA、AIRSPEED SKAKEPARKS 、ブースト・モバイルなどの強力を経て、2002年に発足された。

彼らの主催するプログラムに参加する少年達は、普段住んでる住宅街から北カリフォルニアにある同社のキャンプへ行き、山の中での食べ物の見つけ方から火の起こし方。シェルターの作りかたや沼の水を飲料水にする方法など自然界で生きて行くための様々なノウハウを学ぶ。

このプログラムに参加する殆どの子供達は、生まれて初めて野生動物をまじかで見たり、見た事の無い木や花、そして町では見る事が無い壮大な星空を観察する。このような体験を若いうちにさせる事により、自然の偉大さ、美しさ、そして環境に対しての関心を育てるのです。

「ELEMENTAL AWARENESS(地、水、火、風を知る)」は「1%FTP」から認可された団体で、責任者の「TODD LARSON/トッド・ラーソン」 は「1%FTP」に賛同した理由を「どんな企業だろうと、収入の1%を自然保護の為に寄付出来ると言う事は、現在この地球の目の前に有る危機の認識、そしてこの素晴らしい地球を後世に残すという責任を理解してるから。同じような考えを持つ物同士が結ばれ、お互い助け合いながら少しずつ結果を出して行ける事が素晴らしい」と語っている。


GRAVITY

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リサイクル材から作られたライザー・パッド、リサイクル・ボトルから作られたグリップ・テープ、環境にやさしい水性インクなど、13年間も環境にやさしい材料を使用した製品を提供してるGRAVITY。

GRAVITYのオーナーMICHAEL BREAM(マイケル・ブリーム)はこの辺の事をこう説明する。「当社ではボード作りには麻の繊維を使用してる。何故ならファイバーグラスなどでデッキを作る場合、製作過程でどうしても有害粉末が出る。それを吸い込む事で制作者の健康も脅かされ、何も良い事はないのです」

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「環境を保護するには一人一人の意識の持ち方が大事で、エコロジーを考えてない商品の購入を行わないなどの一般消費者レベルでの対応が必要。そうしないと、いつまでたっても問題は改善出来ない」又GRAVITYは環境保護を念頭に置く政治家のバックアップも行い、近辺のみならず、国、いや世界を視野に入れたエコロジーなビジネス展開を行ってる。

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竹と言えば以前は中国と思われてたが、中国からその竹を持ってくる為に使用される燃料は資源の無駄。GRIVITYの商品にはカナダ産の楓が使用されています。カナダ産の「楓/カエデ」なら再生産出来るように環境が整えられてるし、運送距離も全然少ないし、購入してる業者は厳しいカナダの環境法に適応しているからなのです。

今後もGRAVITYはこれ迄同様常に周囲の変化に目を光らしながら、必要とあれば自身も変化し、変わりゆく時代に対応し、地球の緑を守りたいと願っている。


INDIGO SKATE CAMP

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牛糞と砂をセメント代わりにした藁葺き屋根の家屋で暮らすズル族の住む、南アフリカ、サウザンド・ヒル渓谷にある「INDIGO SKETE CAMP/インディゴ・スケート・キャンプ」.。

INDIGO SKATE CAMPでは世界中の異なる文化の人達を引き合わせる事により、それぞれの国での生活の違いや考えたかの違いを学んだり、広い人間関係を築かせる事を趣旨としており、スケート・キャンプの運営では現地の人材を雇用する事により地域の活性化も実現した。

教育レベルの低いズル族の子供達もスケートボードに乗れたり、英語を喋る同性代の若者達と交流する事が出来、これらの経験から世界へと出て行く自信も持てる。このキャンプに参加する世界各国の若者達は究極のエコロジー生活を現代も変わらず行うズル族との生活から学ぶ事の出来る場となってる。

INDIGO SKATE CAMPは現在の所、大成功を納めてるが、今後は基礎的な事を教える学校の建設やオーガニック栽培なども行い、更なる内容の充実を目指している。


SECTOR 9

2年半程前にSECTOR 9は環境を第一に考えての会社運営を決め、その後も率先して自分たちの出来る環境保護を実践してきた。

近年は1週間で1メートル育つ事が出来る「竹」で出来たデッキに力を入れており、再生能力も早く、さらに強度もある竹のデッキのラインアップは現在では6モデルもあり、長さも26.5インチ〜46インチまでとバラエティー豊富である。

通常一枚のTシャツを作る為に必要とされる「綿」を作るのには三分の一ポンド(150グラム)の殺虫剤と肥料がかかると言われてるが、SECTOR 9で販売されてるTシャツは100%オーガニックの綿から作られたもの。当社ではビール缶から木材までリサイクル出来る物は全て徹底的にリサイクルしているのだとSECTOR 9責任者の「STEVE LAKE/スティーブ・レイク」は熱弁する。

工場ではソーラー電力を使用し、風力発電も取り入れており、スティーブは「個々が自分に何が出来るか?自分のしてる事は地球にどのように影響してるのか?を考える時代に来た。我々も出来る限りの事をしたい。我々が日々消費する「オイル」、「水」、「エネルギー」はゴミ、スモッグ、海の汚染へと繋がってる。このままでは環境は破壊され、次世代に残す物は無くなってしまう。今こそ個々が一つ一つの行動に責任を持ち、足を止め、環境を考える時代に来てるのです」と語ってくれた。


SOLE TECHNOLOGY INC

SOLE TECHNOLOGY INC.は「1%FTP」と「ASEC」のメンバーであり、アパレル・ブランドETNIES GIRLのクリエーターでも有る。SOLE TECHNOLOGY INC.ではこの度SEED(種)PROJECT成るものをスタートさせ、オフィスでのグリーニングを初め、水を流さなくて良い小便器や、ソーラーパネルの設置を行い、最近ではドキュメンタリー映画「THE 11TH HOUR」の製作も行った。

「SEED PROJECT」の趣旨は人々の頭に環境に対する注意の種を撒く事にあり、このプロジェクトの一環としてリサイクル、又はオーガニックな資源を使った新しいアパレル商品のラインアップも用意された。

同社は2007年8月、ハリウッド俳優「レオナルド・ディカプリオ」と環境ドキュメンタリー映画「THE 11TH HOUR」の製作に着手。ディカプリオ本人が脚本とディレクションを手がけたこの映画にはゴルバチョフ元ロシア総理大臣を初め、科学者ステファン・ホーキンズ、作家マクドノフ&ブラガートなどのインタビューが納められており、各々が現在の地球が直面してる環境問題について語ってる。

スケートボードとアクション・スポーツを愛する会社として、SOLE TECHNOLOGY INCは会社のみならず、社員一人一人が地球で暮らす一人の人間として、汚染されてない綺麗な空気、綺麗な海、綺麗な雪などの環境を守る事は地当たり前の事だと考えている。

信じられない速度で我々の生活環境が日々下降してる今、この映画を通し、人々に環境の抱えてる危機を認識して貰えればとSOLE TECHNOLOGY INCは考えています。

「まだ手遅れではない。身近なリサイクルを初め、環境に優しい商品作り。地球をより良い環境にするのは一人一人の注意と関心が必要であり、これらの教育も行わなければならない。スケート界は環境問題の一部ではなく、解決の一部として存在しなければ、いけないのです」。


VOLCOM

「1%FTP」のメンバーとして名を連ねるばかりでなく、様々な環境保護団体への寄付を行い、積極的に地球環境の保護への活動を行うVOLCOM。リサイクル・プラスチックから制作される短パン、100%オーガニック綿を使用したジーンズなど、自社製品に可能な限りオーガニックを持ち入る事により、自らも良い環境に対する知識を学ぶと同時に世論にもその重要さを問いかけてる。

会社レベルで環境保護をプロモートし、ビーチのクリーニング、、カー・プール(一人で通勤せず、友人や知人を誘い、少しでも走ってる車の量を減らす)、又は自転車、もしくはスケートでの通勤を積極的に行い、チャリティー活動にも即せんして参列している。

VOLCOMのプログラマー「デレク・サボリ」は「どれだけ環境に貢献できるか。このチャレンジ程面白い物は無く、今後も自社で出来る事をやると同時に、世間にこのような活動の重要性をアピールし続けたい」と語る。

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concrete wave Vol-6 No4 2008 (コンクリートウェーブ)洋書 スケートボード雑誌